駅近、築浅、格安、環境良好。納骨堂の話です

      2016/06/09

お墓を買わなきゃと思っている人にとって、立地と価格は重要な条件です。どちらも納得できるものはなかなか見つかりませんね。しかし、納骨堂なら駅近、格安が叶います。最近では、室内霊園とも呼ばれるようになりました。今回は、納骨堂の魅力と特徴について解説します。

従来の寂しいイメージから脱出している納骨堂

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納骨堂と聞いてあなたが思い浮かべるのは、もしかして身寄りのない人の遺骨を休ませてあるようなロッカーでしょうか。もちろん、そういった納骨堂も大事な存在ですが、ちゃんと家族がいる自分が入るとなると……考えてしまいますね。

または、漆塗りで金箔の仏教美術が施されているようなロッカーを思い浮かべるでしょうか。荘厳な装飾を気に入る人もいますが、無宗教をつらぬく人はしり込みしてしまいますね。

最近、都市部を中心に次々と建設されている納骨堂は、そんな従来のイメージを軽く吹き飛ばすような、おしゃれで明るいものがほとんどです。納骨堂を敬遠していた人でも、一目見たら気に入ってしまったという話をよく聞きます。

参拝のブースに遺骨が自動でやってくる

「じゃあ、今の納骨堂のロッカーはどんな形なの?」という疑問がわくことでしょう。結論からいえば、納骨堂は、外からは見えません。大きな参拝ブースの後ろに隠されているタイプが話題になっています。

具体的には、花立てや供物台がしつらえられた参拝ブースの脇に、IDカードなどを挿入するスロットがあり、カードを入れれば骨壺が移動してきて、お参りできるようになるのです。設備によっては、モニターに遺影が映し出されます。

法要サロン内に遺骨を納める部屋がある、室内霊園という考え方

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また、納骨堂や参拝スペースだけが、最近の納骨堂の魅力ではありません。例えば、次のようなつくりのものがあります。

・1階:待ち合わせができたり話を楽しめるサロンコーナー
・2階:法要ホールと会食コーナー
・3階~:参拝と納骨スペース

法事の際、お墓と寺院などを移動するのは、特に雨の日などはひと苦労ですね。車いすの人がいたりすると危険も伴います。しかし、エレベーターが備えられたバリアフリーの室内霊園なら、ワンストップで法事と墓参り、そして会食までが行えるのです。

宗教フリーで割安、駅近に好物件アリ

こうした最新の都市型納骨堂は、宗教フリーであることがほとんどです。運営母体が寺院でも、何千基という納骨堂を全て檀家で埋めるのは至難の業だからです。併設の法要ホールで、違う宗派の法要を行ってもよいとしているところすらあります。

また、通常の霊園とは違い、駅から徒歩圏内というところが少なくありません。その駅も、新宿や赤坂見附など都心の中の都心だったりします。お墓参りや法事の集まりがおっくうだということがなくなりますね。家族への最後の、また最高のプレゼントかもしれません。

都心近くの納骨堂や室内霊園には、100万円をくだらないところもあります。納骨堂にしては高いと驚くかもしれませんが、本来、その立地条件で通常のお墓をもとめるには何倍ものお金が必要なのです。納得できる価格と立地ラインを探ってみましょう。

一人分の契約で問題ないが、管理者はいたほうがいい

納骨堂は、代々に渡って守らねばならないとは限りません。もちろん、家族で入りたければ、2人分、3人分のプランを選ぶこともできますが、解約したいと思えば骨壺を戻してもらうだけで済みます。通常のお墓なら、更地にする費用がかかってしまうところです。

年々の管理費を求めるところがほとんどなので、1人分の契約であっても、管理してくれる人はいたほうがいいでしょう。駅地下の納骨堂を求めるのは、お墓参りをしてくれる人のためです。スマートな墓参りのために支払う費用と考え、家族に払ってもらいましょう。

絶対に築浅がおすすめな理由

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これから納骨堂を求めようと考えている人には、絶対におすすめしたいポイントがあります。それは、絶対に築浅物件がいいということです。まるでマンションの紹介のようですね。しかし、明確な理由があります。

納骨堂に遺骨を預かってもらう期間は、かなり長きにわたると予想されます。建築物の耐用年数を考えると、100年とはいいませんが、30年くらいはもってほしいですね。不安になるような古い納骨堂であれば、建て替えの際には遺骨はどうなるのかを明確にしておきましょう。

また、気をつけようもないのが運営母体となる寺院の倒産です。納骨堂を建てたということは、自治体がその許可を出しているということなのでひとまずは安心してよいですが、先のことは分かりません。

寺院が倒産しても、支払った永代供養料は戻ってきません。念頭に置いておきましょう。

まとめ

最近では、まるで遺骨を安置している場所と思えないような明るい納骨堂や室内霊園が増えています。お墓への先入観を一掃するような素敵な空間を見ると、つい「ここに眠りたい」と思ってしまうかもしれません。まずは散歩気分で、家族と一緒に見学へ出かけましょう。

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奥山晶子(おくやま・しょうこ)
奥山晶子(おくやま・しょうこ)
山形県生まれ。冠婚葬祭互助会で2年間働いた後、出版業に従事。出版社の社員時代に日本初の喪主向け葬儀実用誌『フリースタイルなお別れざっし 葬』を発行(不定期)。以後、葬儀や墓について紹介するライターへ。 著書に「葬式プランナーまどかのお弔いファイル」(文藝春秋)「終活」バイブル 親子で考える葬儀と墓 (中公新書ラクレ)などがある。2013年より2年間、「NPO法人葬送の自由をすすめる会」の理事を務める。現在は葬儀や墓についての知識を足掛かりに、介護、相続、遺品整理など終活関連すべてについて勉強・取材・執筆中。

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