永代供養墓(えいたいくようぼ)が今のトレンド いろんなスタイルから自分らしいお墓を選ぼう

      2016/06/20

「今のお墓のトレンドって?」と問われたら、それは永代供養墓の他にないといえます。永代供養墓とは、家族が管理をすることがない非継承型のお墓で、個人墓として一定期間まつられるものや、骨壺のまま置かれるもの、最初から合祀されるものなどがあります。永代供養墓の特徴や定義についてお伝えしましょう。

永代供養ってどういう意味?

AdobeStock_100403278s永代供養とは、本来、半永久的に供養するという意味です。家が存続する限りだったり、お寺が存続する限りだったりと、管理者が絶えるまで続きます。しかし、この意味だけでは今の永代供養墓について説明することができません。お金の面に目を向ける必要があります。

一般的に、墓地は「永代使用料」と「年間管理費」を支払うことで得られます。年間管理費は、年毎に支払う必要があります。しかし永代供養墓の場合、その必要はありません。つまり永代供養とは、契約者が年間の管理費を払わなくても、墓地を管理する寺院が半永久的に供養してくれるという意味です。

個人墓から合祀墓へ移行するスタイルの永代供養墓

以前は、年間の管理費を支払ってくれる後継者がいないと契約できない継承型の家族墓が主流でした。しかし日本人のライフスタイルが変容し、後継者がいる人ばかりとは限らなくなったので、数十年分の年間管理費を一括払いするスタイルが出始めたのです。

墓地の管理者は、契約以後数十年は個人墓として扱います。その後、霊園の敷地内にある合祀塔などに移します。合祀となるタイミングはさまざまですが、33回忌や50回忌をめどとしている霊園が多めです。

このスタイルであれば、管理費を残された家族が支払うことなく、一定期間は個人のお墓を持つ事がかないます。ただ、その性質上、継承することはできません。もっとも、継承を望まない人のための形式ですから、問題はないでしょう。

はじめから合祀するスタイルの永代供養墓

a0002_005190一方で、個人墓の段階を踏むのではなく、初めから合祀するようなタイプもまた、永代供養墓と呼ばれることがあります。最近はこちらのほうが、永代供養墓の意味としては主流になりつつあるのではないでしょうか。個人としての墓を最初から持たないので、個人墓から合祀へ移行するタイプよりは当然割安です。

「合祀」の意味にも二つあり、骨壺のまま共同のスペースへ置かれる場合と、骨壺から遺骨を出してしまう場合とに分かれます。初めは骨壺のまま置かれ、一定期間ののちは骨壺をあけるというスタイルもあります。

つまり、永代供養墓は「非継承型のお墓」全般をいう

個人墓タイプにせよ、初めから合祀されるタイプにせよ、永代供養墓といえば「継承者の要らないお墓のことだな」と思ってかまいません。つまり永代供養墓はお墓の形をあらわすのではなく、スタイルをあらわしているのです。

ですから、最近話題の樹木葬や、都心で注目されている納骨堂といった、お墓の形をあらわすものが「永代供養墓か否か」は、見た目からは分かりません。樹木葬の多くは非継承型の永代供養墓ですが、継承型の家族墓として使えるものもあります。納骨堂も同じです。

「期限付き墓地」は永代供養墓か?

最近では、個人墓としての期限を5年や10年などと定めているお墓があらわれました。「レンタル墓地」や「期限付き墓地」と呼ばれるものです。一見、個人墓から合祀墓へ移行する永代供養墓と同じスタイルのように見えますが、どうやら違うようです。

レンタル墓地や期限付き墓地は、年間管理料を支払わなければならないことの方が多いようです。契約期間中は契約者(故人の遺族など)が年間管理料を支払い続け、契約終了時には期限を延長するか、合祀するかを選択します。合祀となればその時点からは永代供養墓ですが、期限まで管理する人を残さなければなりません。

ここで、お墓の種類と主な意味を表にあらわしてみましょう。

墓の種類と主な意味

家族墓
(継承型)
個人墓
(非継承型)
個人墓→
合祀墓
すぐ合祀
(骨壷あり)
すぐ合祀
(骨壷なし)
寺院墓地
(従来の家族墓)
無縁にならない限りしない
共同墓地
(地縁で使う昔ながらの墓)
合祀墓があれば可能性あり
永代供養墓
樹木葬 少ない 多い 少ない
合葬墓
合祀墓
合同墓
集合墓 可能性あり 可能性あり
共同墓 可能性あり 可能性あり 可能性あり 可能性あり
レンタル墓 契約期間中 契約によっては
可能性あり
期限付き墓 契約期間中 契約によっては
可能性あり
納骨堂 可能性あり 多くはこの形 契約によっては
可能性あり
可能性あり 可能性あり

いかがでしょうか。初めてお墓に興味を持つ人が即座に理解できる内容とは、到底思えませんね。お墓は継承墓の大前提が崩れたことで変革の時期を迎えつつあり、一般の消費者だけでなく供養業界全体が混乱にあるといっていいでしょう。言葉だけで判断するのではなく、個々の内容によく注意して選ぶようにしましょう。

The following two tabs change content below.
奥山晶子(おくやま・しょうこ)
奥山晶子(おくやま・しょうこ)
山形県生まれ。冠婚葬祭互助会で2年間働いた後、出版業に従事。出版社の社員時代に日本初の喪主向け葬儀実用誌『フリースタイルなお別れざっし 葬』を発行(不定期)。以後、葬儀や墓について紹介するライターへ。 著書に「葬式プランナーまどかのお弔いファイル」(文藝春秋)「終活」バイブル 親子で考える葬儀と墓 (中公新書ラクレ)などがある。2013年より2年間、「NPO法人葬送の自由をすすめる会」の理事を務める。現在は葬儀や墓についての知識を足掛かりに、介護、相続、遺品整理など終活関連すべてについて勉強・取材・執筆中。

 - 墓の選び方