お墓は誰が経営しているの?公営、民営、オススメのタイプを知ろう

      2016/08/18

公営の霊園、民間の霊園、寺院墓地と、お墓の形はさまざまです。宗教フリーな民間の霊園は、石材店などが経営していると思っていませんか?実は違います。お墓について根本から理解し、自分におすすめのタイプを知りましょう。

公営霊園の経営主体は自治体

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○○市営霊園といった名称の墓地を、近くに一つは見かけるのではないでしょうか。比較的規模が大きく、宗派・宗教を問わず住民なら誰でも応募することができる公営霊園は、各自治体が経営主体となり、指定管理者などが運営・管理を行っています。地方に見られる集合墓地なども、経営主体は自治体です。町内会の代表などが運営と管理を行っています。

青山霊園、谷中霊園、染井霊園といった有名な大規模霊園も、公営霊園の一つです。とくに青山霊園は、応募倍率の高さでも有名ですね。青山霊園のステイタスはまた特別ですが、都市部の公営霊園は例外なく、その安定感から応募倍率が高くなることが多いものです。5年連続で応募して、全て落選ということも珍しくありません。

公営霊園に向いているのはこんな人

公営霊園の特徴を考えると、次のような人におすすめです。

すでに遺骨がある

規約により、遺骨がないと応募できない公営霊園があります。よく確認しましょう。

デザインにこだわらない

公営霊園の多くはお墓の規格が決まっていて、自由なデザインはできないことがほとんどです。オリジナルデザインにしたいというはっきりした希望がある人は応募しないほうが無難でしょう。

管理者が確保されている

ほとんどすべての公営霊園は、管理者がいなければ募集できません。自らが契約者となり、自分のための墓地を求めるときには、必ずのちの管理者名が必要となります。

墓地に関して節約志向ではない

公営墓地は、土地こそ安価ですが、敷地が広大な場合が多いため、墓石はかなりの量を使う必要があります。安いからといって飛びつくと、のちに困ってしまうかもしれません。

民営霊園の経営主体は公益法人や宗教法人

Tombstones in the public cemetery

民営霊園の折り込みチラシを見ると、直接の問い合わせ先である石材店の電話番号などのほか、「○○寺」など寺院の名前が入っていることがあります。「この霊園は宗教不問のはずなのに、どうしてお寺の名前が出てくるのだろう」と不思議に思ったことはないでしょうか。

実は、お墓の経営主体になれるのは、公益法人と宗教法人だけなのです。民営霊園は寺院の中の墓地とはイメージが全く違いますが、経営しているのはお寺さん、という可能性が非常に高いということになります。石材店などは、管理・運営業務を委託されているだけです。どんな大企業も、墓地経営はできません。

平成23年、墓埋法(ぼまいほう)の改正により、墓地経営の許可が県から各自治体へと権限委譲されました。これからの墓地不足を危惧し、より適切に墓地をつくれるようにしようという意図がみられます。経営主体となれるのは変わらず公益法人や宗教法人だけですが、これを機に各市町村ではまちづくり関連条例が次々と変更されています。もしかしたら、これから経営主体に関わることで動きがあるかもしれませんね。

民営霊園に向いているのはこんな人

民営霊園の特徴を考えると、次のような人におすすめです。

手ぶらでお墓参りに行きたい

民営霊園の良いところは、設備やサービスが整っている点です。お墓参りに必要な備品が常にきれいな状態で貸し出しされているのはもちろんのこと、お線香やお花が近くで売られていることがほとんど。手ぶらで出かけても、きちんとお墓参りができます。

足が不自由でも気楽にお墓参りがしたい

民間霊園は、交通の利便性が高く、バリアフリー率が高いのが特徴です。歩くのが困難な人も、安全にお墓参りができるでしょう。

デザインを選びたい

景観を保持するためデザインに制限のあるところもありますが、ほとんどの民間霊園が流行のデザイン墓に対応しています。

後継者が不在

後継者がいなくても管理してくれる永代供養(えいたいくよう)の体制を設けている霊園がほとんどです。

寺院墓地の経営主体は、もちろん寺院

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寺院の敷地内にあるような昔ながらの墓地は、経営主体も管理・運営主体もその寺院です。檀家にならなければ利用できないイメージがありますが、最近では檀家ではない人も受け付け、後継者がいなくても寺院が供養してくれる永代供養墓(えいたいくようぼ)を設置するところが増えてきました。

寺院墓地に向いているのはこんな人

寺院墓地の特徴を考えると、次のような人におすすめです。

故人あるいは自身が熱心な仏教徒である

寺院のもとに眠る安心感は、仏教徒にとってはかけがえのないものです。寺院墓地を求めれば、住職が葬儀にかけつけてくれます。また、「ここの住職のファンだから」というのは、最も正しい墓地選びの決定打です。

法要と墓参りを一度に済ませたい

寺院で法要を営んだあと、スムーズにお墓参りへ移行できます。墓前でお経を読んでもらえるメリットもあります。

地縁を大切にしたい

寺院墓地だからといって檀家にならなければならないとは限りませんが、一度墓地を求めれば、その寺院から施餓鬼法要や花まつりなどのイベントごとにお知らせが届くでしょう。同じ寺院内に墓地を持った人と交流を深めるいい機会です。

まとめ

墓地の経営主体になれるのは、各自治体か宗教法人、もしくは公益法人のみです。そして、それぞれが指定した業者が管理運営しています。公営霊園や民営霊園は基本的に宗教フリーなのが魅力ですが、やはりそれぞれに特徴があります。宗教に抵抗のない人は寺院墓地も選択肢の一つに加え、それぞれのメリットとデメリットをきちんと見比べて決定しましょう。

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奥山晶子(おくやま・しょうこ)
奥山晶子(おくやま・しょうこ)
山形県生まれ。冠婚葬祭互助会で2年間働いた後、出版業に従事。出版社の社員時代に日本初の喪主向け葬儀実用誌『フリースタイルなお別れざっし 葬』を発行(不定期)。以後、葬儀や墓について紹介するライターへ。 著書に「葬式プランナーまどかのお弔いファイル」(文藝春秋)「終活」バイブル 親子で考える葬儀と墓 (中公新書ラクレ)などがある。2013年より2年間、「NPO法人葬送の自由をすすめる会」の理事を務める。現在は葬儀や墓についての知識を足掛かりに、介護、相続、遺品整理など終活関連すべてについて勉強・取材・執筆中。

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