お墓を建てるのに最適な時期はあるの?生前墓を建てるタイミング5つ

      2016/07/28

実家のお墓に入るのが難しい以上、自分たち家族の墓を建てなければならないなと感じているシニアは多いでしょう。しかし、なかなか踏ん切りがつかないという人もまた多くいるのが現状です。

「墓を建てた途端に不幸が起こるのではと思うと不安」と迷う気持ちは誰でもあるものです。迷信と知りつつも、療養中であればなおさら「もしかしたら」と思うと踏み出せませんよね。気持ちをうまく奮い立たせるために、お墓を建てるのに最適な時期を知りましょう。

「生前にお墓を建てると長生きする」という言い伝えがある

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「お墓を建てることは縁起が悪い」と思うのは、お墓というものは不幸があってから建てるものだという考え方が根強くあるからですよね。しかし、「生前にお墓を建てると、その人は長生きする」という言い伝えがあるのです。

中国から輸入された「寿陵(じゅりょう)」という考え方

中国では古くから、生前にお墓を建てることは縁起の良いことであるとされてきました。本人が長生きするうえ、子孫が繁栄すると言われていたため、秦の始皇帝ですら生前墓を採用しています。これを「寿陵(じゅりょう)」といい、日本に伝わってからは聖徳太子などもこの寿陵を実践しました。

墓を建てるのは、さらに健康になり長生きするためと考えよう

私たちは健康で長生きしたいと願い、また子孫の無事を願い、神社にお参りをしたり、折に触れて先祖に祈ったりします。お墓を建てるのも、願掛けや祈念の一種ととらえてはいかがでしょう。げんに、昔の権力者は繁栄の祈りを込めて自分の墓を建てています。けっして不吉なことではないのです。

生前墓を建てるのに最適なタイミングとは

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生前墓を建てるため、特に縁起が良いとされているタイミングは特にありません。しかし、自分や家族の気持ちが、素直に墓を建てる方向へ向いてゆく時期というものが、確かにあります。その時期を逃さず建てるようにすると、合理的な理由があるぶん「不吉なのでは……」という不安は少なくなりますよ。

先に墓地を求め、リミットを活用する

墓を建てるためには、墓地を求める必要があります。実際に墓を建ててしまうよりも、墓地を求めることのほうが、不安を抱えている人にとっては抵抗が少ないでしょう。まずは一歩、前進です。

墓地を決めると、3年から5年のうちに墓石を建てなければならないという制約を課している霊園が多いものです。契約上のリミットを守るために建てるのだという名分が生まれれば、自分の中の迷いも少なくて済むのではないでしょうか。家族や親族も納得してくれます。

また、公営の墓地などは、遺骨が手元にないと応募自体ができないという制約を掲げていることがあります。この場合、生前墓はおろか、墓地自体を求めることもできません。このような公営墓地への応募を考えている人は、逆に生前墓について悩まずにすむということになります。早速、近くにある公営墓地の募集要項を調べてみましょう。

両親の年忌法要を機に建てる

法事は、親族それぞれが供養のことに想いを馳せる機会です。シニアの中には、両親の年忌法要を間近に控えている人も多いでしょう。家族みんなで墓参りをした後なら、「ウチも建てるか」という話をしやすく、自分の中でも機運が高まるはずです。

「そんな話はまだ早いよ」と、家族からたしなめられるかもしれませんが、自身の選んだ墓地に、好きなデザインの墓石を建て、またその姿を見られるのが生前墓の醍醐味です。「生きているうちに思い通りのお墓を仕上げておきたい」と訴えれば、家族も納得してくれるでしょう。

実家の墓じまいをし、遺骨を移動するための新しい墓を建てる

実家の墓に入る人がもういないという場合には、その墓をたたみ、遺骨をどこかに移動させることを考えなければなりません。「改葬」と呼ばれているものですが、墓を更地にすることは「墓じまい」ともいわれるようになりました。

実家の墓にある遺骨を自分たちで引き取る場合は、納骨場所が必要になります。自宅で供養しても差し支えないですが、最終的には、いずれ自分たちが入るお墓に改葬するのが現実的でしょう。

「実家を墓じまいして残った遺骨を、早めに新しい墓に入れてあげたい」という理由ができれば、スムーズに生前墓へと踏み切れます。早くしないと、子どもの代にまで墓問題を引きずらせてしまいかねませんからね。

遺言書を書く際、節税対策に建てる

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遺言書こそ、本人が元気なうちにしか作成できないものです。作成の際には財産を洗いざらい確認し、誰に何を相続させるか決めなければなりません。このとき、すでに墓があったほうがよいのです。

なぜかといえば、墓や仏壇などの祭祀財産は非課税だからです。あらかじめ墓を建てておけば、納税対象の財産が減り、節税対策になります。「我が家も相続税の対象になるかも」とヒヤヒヤしているなら、墓は建てておくべきです。そして、墓を建ててから、正しい遺言書を作成しましょう。

盆や彼岸に披露するために建てる

当たり前の話ではありますが、生前に墓を建てたら、その存在を家族が知っておかなければなりません。同居家族はいつでも案内できますが、離れて暮らす子どもたちには、そうもいきませんよね。

みんな一緒に新しいお墓へ案内できるように、親族が集まるお盆やお彼岸までの完成を目標に掲げましょう。披露会の日付を早々に宣言してしまえば、一気にやる気が出ます。

まとめ

自分の思い通りのお墓にしたい、家族に迷惑をかけたくないなどといった思いがあれば、生前墓を建てることは必須です。タイミングをはかるなら、法事などをきっかけにし、節税や改葬など合理的な理由をもとにしましょう。お披露目の会を設ければ、目標時期も定まります。

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奥山晶子(おくやま・しょうこ)
奥山晶子(おくやま・しょうこ)
山形県生まれ。冠婚葬祭互助会で2年間働いた後、出版業に従事。出版社の社員時代に日本初の喪主向け葬儀実用誌『フリースタイルなお別れざっし 葬』を発行(不定期)。以後、葬儀や墓について紹介するライターへ。 著書に「葬式プランナーまどかのお弔いファイル」(文藝春秋)「終活」バイブル 親子で考える葬儀と墓 (中公新書ラクレ)などがある。2013年より2年間、「NPO法人葬送の自由をすすめる会」の理事を務める。現在は葬儀や墓についての知識を足掛かりに、介護、相続、遺品整理など終活関連すべてについて勉強・取材・執筆中。

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