みんなと一緒に眠れるのがいい 合葬墓(がっそうぼ)という選択肢

      2016/06/06

合葬墓(がっそうぼ・がっそうばか)、もしくは合祀墓(ごうしぼ・ごうしばか)などというと、「お墓を買えない人が入るところでは」と思う人も多いでしょう。しかし最近では、リーズナブルで後継者がいらず、みんなと眠れる安心なお墓というイメージが強くなってきました。新しい合葬墓について解説します。

個別のお墓がほしいというこだわりがなければ断然おすすめ

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合葬墓、合祀墓、合同墓などいろんな名称がありますが、いずれも個別のお墓を持たず、一つの石碑のもとに遺骨が納められるお墓のことをいいます。石碑は大きく、かなりの数の遺骨が収容できるようになっています。

当然、従来のお墓や納骨堂に比べるとかなりリーズナブルです。継承者の必要がなく、彼岸などには住職がお経をあげてくれるので、お墓参りをする人すら必要ありません。個別の墓はいらない、あったらむしろ困るというおひとり様には特におすすめです。

すぐに遺骨をまとめてしまわない合葬墓も

1つの石碑の中にみんなで眠るというと、遺骨を骨壺から取り出してまとめてしまうのかと思われることでしょう。もちろん、最終的にはそうなることがほとんどですが、数年間は骨壺のまま石碑の中に安置するといった措置をとっている合葬墓もあります。

お墓を決めてから数年たって、遺族が「やっぱり個別のお墓がいい」「田舎のお墓に埋めてあげたい」「分骨して一部を自宅に置きたい」という気持ちになることも、大いに考えられます。そんなときのために、ひとまず数年は骨壺のまま置いておくのです。

踏ん切りがつかないとき、この2段構えは助かりますね。

菩提寺にある場合は住職に相談してみよう

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寺院は、無縁仏を葬るための合葬墓を持っていることが多いものです。もしかしたら、菩提寺にもあるかもしれませんので問い合わせてみましょう。檀家を抜け、新たに合葬墓を探すよりもずっとスムーズです。先祖の遺骨も合わせて合葬墓へ移す「墓じまい」も可能になるでしょう。

菩提寺にとっては、護持費を払ってくれる檀家が減ることになってしまうので、引き留められることが多いでしょう。お墓を維持してくれる人がいない、このままだと無縁仏となって一層迷惑をかけてしまうといったことを理由に説得しましょう。今まで供養してくれたことへの感謝の言葉も、忘れてはなりません。

「集合墓」や「共同墓」など紛らわしい言葉にご用心

合葬墓、または合祀墓を探す際には、表記と意味の違いに注意しましょう。「集合墓」「共同墓」など、似たような言葉で内容の違うお墓があります。一般的な意味についてまとめてみます。

合葬墓:血縁や地縁に関わらず、希望した人が広く共同で葬られるお墓
合祀墓:合葬墓と基本的に意味は変わらないが、仏教的な語感となるのでお寺に多い表記
合同墓:合葬墓と基本的に意味は変わらないが、宗教的な印象を排したいときに多い表記
集合墓:一つの敷地内に小さなプレートなどを配置し、個々に弔われるミニ墓
共同墓:友人同士などある集団が共同で眠るために共同で契約するお墓
共同墓地:地区の互助組織が管理している墓地

本当に紛らわしく、墓地の管理者によってはこの通りの意味で使っていないところもあります。問い合わせの際に、「誰でも入れて、まとめて供養してもらえる合葬墓(合同墓)を探しています」などと具体的に伝えれば、トラブルはないでしょう。

最近では老人福祉施設が共同墓を用意することも

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配偶者もいずれは死を迎えることを考えれば、人は誰でも最後は「おひとり様」になる可能性があります。老人福祉施設には、「墓のことが不安」という相談が多く寄せられるため、入居者のための共同墓を用意しているところも出てきました。

終の棲家が施設であれば、施設近くの霊園に共同墓があることは、利用者にとって安心でしょう。友人と一緒に眠ることができ、友人がすぐにお参りに来てくれるのです。高齢化社会のなか、これから増えてくると考えられています。

まとめ

個別にお墓を持たない合葬墓の特徴についてお伝えしました。お墓の中では一番リーズナブルな形です。希望するなら、将来お墓参りをしてくれる家族ともよく話し合いましょう。

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奥山晶子(おくやま・しょうこ)
奥山晶子(おくやま・しょうこ)
山形県生まれ。冠婚葬祭互助会で2年間働いた後、出版業に従事。出版社の社員時代に日本初の喪主向け葬儀実用誌『フリースタイルなお別れざっし 葬』を発行(不定期)。以後、葬儀や墓について紹介するライターへ。 著書に「葬式プランナーまどかのお弔いファイル」(文藝春秋)「終活」バイブル 親子で考える葬儀と墓 (中公新書ラクレ)などがある。2013年より2年間、「NPO法人葬送の自由をすすめる会」の理事を務める。現在は葬儀や墓についての知識を足掛かりに、介護、相続、遺品整理など終活関連すべてについて勉強・取材・執筆中。

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