香典、受け取る?受け取らない?態度を決める3つのヒント

      2016/06/11

最近、葬儀のお知らせに「御香典の儀は辞退します」と書かれていることが増えた、という印象はありませんか。鵜呑みにしようか持参すべきか迷いながらも、自分のときにはどうしようと悩みますよね。今回は、その悩みが晴れるような考え方のヒントをお伝えします。

周りの空気はわりと大事

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香典は、「お線香代」という意味です。お花やお供物と同じように、故人へ供えるためのものです。それをお金に替えています。

一方で、香典はお金ですから、お花やお供物よりも遺族の負担を減らすという意味あいが強く出ます。また、親族や近所の不幸でお互いに香典を出し合うことにより、相互扶助のためのものという性格も持ち合わせていますね。

持ちつ持たれつの香典は、お付き合いを潤滑にするためのツールでもあります。特に近所の結びつきが強い地方の人や、年配の人は、いまだに過去帳(かこちょう)でもらった香典の履歴を参照し、同額の香典を贈ることを律儀に守っている人もいることでしょう。

町内会で不幸があったらいくらずつ出すという決まりがあるとか、親族の葬儀では最近でも必ず香典のやり取りがあるといった場合は、香典を受けつけてしまった方が、遺族も参列者側も気持ちが楽になります。

そんな状況でも、できれば香典を辞退したいということなら、次のような方法はいかがでしょう。

町内会の香典だけを別にいただく

辞退を申し出ても「慣習だから」「計算が合わないから」などといった理由で、香典の受け入れを促されることは大いにあり得ます。近所づきあいだけは別と割り切り、頂いた方が楽になります。

ただ、その場合でも、できれば葬儀の際に香典の受付を置きたくありませんね。一般の参列者が不安になります。「町内会受付」などとして設けるか、代表者に取りまとめてもらうなど工夫しましょう。

親族からは同額の供花だけを受け付けて即返し

親族から供物や供花を贈りたいという要望が強ければ、「会場の雰囲気を統一させたい」と理由づけして、全て同額のお花を贈っていただきましょう。供花のパンフレットを見せれば、「じゃあ、兄弟3人で一つ」「配偶者側の親族一同で一つ」など、手慣れた人が仕切ってくれるはずです。

葬儀社によっては、生花業者と提携していることがあります。相談すれば、親族の花代をまとめて祭壇上の花に振り替えることができるでしょう。すると、単純に供花が並ぶよりも統一感や豪華さがアップします。名札は、祭壇上や会場入り口のボードに示されます。

供花の金額が分かっているので、香典返しの準備も簡単です。ワリカンにして1つを贈ってくれた親族もいるでしょうから、値段の違うカタログギフトを多めに準備しておくと便利です。返品がきくうえ、見た目では違いが分かりません。取り違いのないよう遺族が管理し、名札タグなどをつけておきます。

香典返しを工夫することで渡すのが楽しみになるかも

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香典をもらうことではなく、誰も喜ばない香典返しを用意することが嫌になっているなら、香典返しを工夫しましょう。

お葬式に参列することが多くなり、家の中に日本茶の袋があふれていませんか。まるで高いお茶をたくさん買っているようだと錯覚してしまいますね。こういったことが続けば、「香典はもううんざり」という気持ちになって当然でしょう。

お茶の他にお酒や砂糖、お菓子など、地域のしきたりで何となく香典返しが決まっていることもあるでしょう。しかし、香典を辞退するよりも香典返しを納得できるものにする方が、気持ちのうえではずっと楽なはずです。

香典返しの基本は、食品や消耗品などの消えもので、返品が可能なこと。ひいきにしているブランドのタオルやお気に入りのハーブティーなどが香典返しに使えないか考え、問い合わせてみましょう。参列者にお土産を渡す感覚なら、香典返しも悪くないと思えるはずです。

いただいてしまう香典のお返しに悩むなら寄付という方法も

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香典を辞退すると決めていても、「それでも持ってくる人にはどうすべきか」という悩みがあるでしょう。煩わしさから解放されたくて香典を辞退するのに、結局悩まされていては悔しいですね。

ボランティア団体や慈善活動を行っているNPOなどには、香典のための寄付を受け付けているところがあります。「香典は全額寄付をさせていただきます」という文面を添えて、その場でお礼状のはがきを渡すにとどめれば、遺族の負担がなく失礼にもあたりません。

また、寄付をした後に、参列者へのお礼の文面を提供してくれる団体もあります。送られてきた文面をはがきに印刷して礼状とすれば、確かにその団体に寄付をしたという証拠になります。

まとめ

香典を辞退する人が増えたことで、葬儀にまつわる新たな悩みも増えました。受け取るべきか否かを悩むなら、「どうすれば自分の気持ちが楽か」を最優先に考え、工夫しましょう。香典という文化は消えつつありますが、弔意を表したい人の心は消えません。また新しい文化が発生することが考えられます。

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奥山晶子(おくやま・しょうこ)
奥山晶子(おくやま・しょうこ)
山形県生まれ。冠婚葬祭互助会で2年間働いた後、出版業に従事。出版社の社員時代に日本初の喪主向け葬儀実用誌『フリースタイルなお別れざっし 葬』を発行(不定期)。以後、葬儀や墓について紹介するライターへ。 著書に「葬式プランナーまどかのお弔いファイル」(文藝春秋)「終活」バイブル 親子で考える葬儀と墓 (中公新書ラクレ)などがある。2013年より2年間、「NPO法人葬送の自由をすすめる会」の理事を務める。現在は葬儀や墓についての知識を足掛かりに、介護、相続、遺品整理など終活関連すべてについて勉強・取材・執筆中。

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