宇宙葬からフリーズドライまで 自由すぎる弔いの世界

      2016/08/01

お墓を作らない弔い方といって、思い浮かぶのは「散骨」という人が多いでしょう。最近は、遺骨を自宅保管して手元供養を行う人も増えてきました。では、宇宙葬、バルーン宇宙葬、フリーズドライ葬をご存じでしょうか。自由な弔いの世界へご案内しましょう。

宇宙葬―愛する故人が宇宙へ旅立つロマン

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故人の遺灰を小さなカプセルに込め、人工衛星などのロケットに同乗させて打ち上げるのが宇宙葬です。アメリカの宇宙葬会社などと連携することで、日本でもここ数年でサービスが目立ってきました。導入例をあげてみましょう。

銀河ステージ

宇宙葬のほか、海洋散骨や樹木葬、墓じまいなども手がけている銀河ステージ。しかし会社名が示している通り、一番の売りは宇宙葬でしょう。10数年前から宇宙葬を行っているアメリカ・セレスティス社の代理店です。

銀河ステージのスペースメモリアル(宇宙葬)は、宇宙旅行、人工衛星、月旅行、宇宙探索の中からプランが選べることが特徴です。ロケットの打ち上げはアメリカで行われ、見学も可能です。

宇宙葬Sorae

Soraeは、株式会社みんれびが、アメリカの宇宙葬会社であるエリジウムスペース社と提携して作ったサービスです。28.5万円と、業界の中でも安い価格で宇宙葬ができます。

遺骨はアメリカのフロリダ州にある宇宙基地から打ち上げられ、打ち上げの際にはビューイングイベントが行われます。ロケット打ち上げはネット配信され、依頼者には打ち上げ映像のビデオも届きます。

バルーン宇宙葬®―大きな風船に遺灰を込めて大空へ

Balloon.

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バルーン宇宙葬は、ヘリウムガスによって直径2.5メートルほどにもなる大きなバルーンのなかへ遺灰を込め、大空へ飛ばす葬法です。巨大なバルーンは成層圏付近まで高度を上げ、破裂して遺灰は宇宙へと散骨されます。

バルーン宇宙葬は、宇都宮市のバルーン工房が始めたサービスで、特許を取得し全国的に代理店を増やしています。「宇宙葬」と混同されたり、「バルーン葬」と表記されたりしますが、「バルーン宇宙葬」が、商標登録もされているサービスの正しい名称です。

バルーン宇宙葬は全国どこからでも行えますが、10メートル四方に高層ビルや電線や障害物がないことが条件です。天気の良い日に砂浜から、などと想像すると、「故人もさぞ、気持ちいいだろうな」と思ってしまいますね。晴れやかで明るい弔い方といえるでしょう。

フリーズドライ葬―遺体を凍らせて粉末に

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日本はもちろん、世界でもまだ公式には利用例が報告されない最新の葬法が、フリーズドライ葬です。液体窒素を使って遺体を凍らせ、粉砕して細かい粒状にしてしまいます。さらに金属を取り除き、土中に埋めるのです。早く土に還るよう、生分解性の容器に入れてから埋葬します。

フリーズドライ葬は、遺体をまず火葬することはありません。よって二酸化炭素が発生せず、土葬ではあってもすぐ土に還る形にまで遺体が加工されており、エコロジーにつながります。

考えられうる限りで一番エコな葬法とはいえ、倫理上の問題から、まだ実用に至っている国はありません。しかし、少なくとも2010年の段階では、開発者のいるスウェーデンと韓国とで導入される予定との報道がありました。今後、初の利用がどこでなされるかに注目です。

まとめ

宇宙葬、バルーン宇宙葬、フリーズドライ葬と、ユニークな3つの葬法をご紹介しました。今後も、さまざまな方法が出てくることでしょう。「お墓は作るべきもの」という先入観にとらわれているなら、自由な葬法を知って気持ちを楽にしましょう!

宇宙葬やっています。心に残る家族葬

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奥山晶子(おくやま・しょうこ)
奥山晶子(おくやま・しょうこ)
山形県生まれ。冠婚葬祭互助会で2年間働いた後、出版業に従事。出版社の社員時代に日本初の喪主向け葬儀実用誌『フリースタイルなお別れざっし 葬』を発行(不定期)。以後、葬儀や墓について紹介するライターへ。 著書に「葬式プランナーまどかのお弔いファイル」(文藝春秋)「終活」バイブル 親子で考える葬儀と墓 (中公新書ラクレ)などがある。2013年より2年間、「NPO法人葬送の自由をすすめる会」の理事を務める。現在は葬儀や墓についての知識を足掛かりに、介護、相続、遺品整理など終活関連すべてについて勉強・取材・執筆中。

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