オリジナルな葬儀にしたいと思ったときに必要なこと5つ

      2016/06/10

従来の仏式葬儀では、オリジナルさを出せるのは弔辞程度でしたが、今ではさまざまな工夫を凝らすことで、故人らしさが演出できるようになってきました。葬儀にオリジナルな要素を盛り込みたいと思ったときに考えるべきことを、例をあげながらお伝えします。

例えばどんなことが盛り込めるのか

「故人らしい葬儀」と言われても、いったい何ができるのか想像もつかないという人は多いでしょう。故人の趣味や好きなもの、家族の思い出、弔問客の想いを反映させた葬儀には、例えば次のようなものが考えられます。

・受付脇に思い出の写真を貼ったボードを設置する
・故人を映したDVDを式中に流す
・故人の好きな色を中心に祭壇のトーンを揃える
・親族や弔問客が生演奏を披露する
・料理に故人が好きだったものを一品加える
・香典返しを故人ゆかりのものにする

これから紹介するそれぞれの要素で、1つだけでもオリジナルなアレンジが叶えられれば、葬儀の満足度がぐっとアップすることでしょう。

その1 会場まわりで工夫ができることを考える

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看板類や受付まわりで、ウェルカムの気持ちをあらわす工夫ができます。最も簡単で、必ず実践している葬儀社も多いのが、受付脇に置く写真コーナーです。コルクボードに家族写真を飾り、それぞれコメントをつけます。

写真コーナーを広げて、愛用の品物を展示するといったことも考えられます。写真や絵、手芸が趣味であったなら、作品を飾るのもよいでしょう。1つの分野に秀でた人なら、賞状や盾を飾って実績をみてもらいましょう。

会場周りの工夫において大事なのは、参列者に見てもらうための演出であるということです。「そうそう、こういう人だったなあ」と、葬儀前に思い出話が弾むような空間を心掛けましょう。ただ好きな物を並べただけでは、遺品公開のような重苦しい雰囲気が漂ってしまいます。

飾りつけは、葬儀社の社員が行ってくれることがほとんどです。家族が手伝いを申し出ると、いい思い出になるでしょう。予算は無料から、凝った演出を依頼すると5万円程度をデザイン料や人件費として支払う可能性があります。

その2 儀式の「空き時間」に何をするか考える

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葬儀中の演出は、儀式に割り込む形になります。よって、宗教儀式の邪魔にならないよう、空き時間を活用してオリジナルな要素を盛り込みます。

いずれの宗派も、弔辞の時間が1つのタイミングです。献奏や孫からの手紙などは、弔辞の時間に盛り込みましょう。故人の写真をスライド風にしたDVDを流すといったことは、開式後のタイミングにできます。ただしあまりに長い演出は宗教者を待たせることになるため、開式前に行うこともあります。

無宗教葬の場合は、儀式の流れを意識する必要はありません。好きなように演出が可能ですが、葬儀の20分間、30分間という時間をオリジナルの演出で埋めるのは骨が折れます。間が持たなければ、お経が恋しくなるほどでしょう。

無宗教葬が得意な葬儀社はさまざまなプランを持っており、随所で故人らしさが出るようにしてくれます。しかし、そういう葬儀社ばかりではありません。自分で演出を考えなければならない場合は、思い切って葬儀の時間を短くするといったことも念頭に置きましょう。

その3 祭壇にオリジナルのモチーフを盛り込めないか考える

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今、お花で祭壇をいっぱいにする花祭壇がブームです。大きな白木の屋根や灯籠などを使わず、フラットな祭壇をお花でアレンジする花祭壇は、オーダー次第で簡単に故人らしさを演出することができます。

故人の好きだった花を中心にデザインしてもらったり、好んで着ていた服の色で全体のトーンを合わせたりすると、中央の遺影がぐっとイキイキした表情に見えます。

また、故人の趣味を祭壇に反映することも可能です。コレクションしていたものを祭壇に並べたり、ゴルフ用品を立体的に配置したりなど、会場の主役となる祭壇に故人らしさを反映させれば、オリジナルな印象を最大限に与えられます。

オリジナルな祭壇の金額は、凝り方や大きさに応じて決まります。趣味の品を並べる程度であれば無料で行ってくれる葬儀社が多いでしょう。単価の高い花をふんだんに使ったり、デザインに凝ったりすると金額は高くなります。

ただし、祭壇に独創性を出したい場合は必ず宗教者に相談しましょう。祭壇をとくに神聖なものと捉える宗教者からは、反対されることもあります。

その4 料理に故人らしさを出せないか考える

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通夜ぶるまいや精進落としの際に、故人の好きな料理や食材を盛り込むことができれば、オリジナル性の高いもてなしになります。簡単なのは、好きだったお菓子やお酒を持ち込むことです。物によっては持ち込み料金がかかるので、注意しましょう。

葬儀社によっては、故人の好きだった食材を料理に使うことを了承してくれるところもあるでしょう。オリジナルで一品追加してもらうというのは、少し高いハードルですが、ダメもとで言ってみる価値はあります。

その5 香典返しに個性が出せないかを考える

四九日に合わせて香典返しを送る習慣がある地域なら、品物や会葬礼状を全くのオリジナルにすることが可能です。品物は四九日に間に合うように人数分を取り寄せ、生前に直筆の会葬礼状を書いておき、プリントするだけでいいのです。

会葬当日の香典返しにオリジナル性を盛り込みたい場合は、少し注意が必要です。葬儀はいつ起こるか分からないものですから、早めに手配しておくことができ、また多めに取り寄せて返品することが可能なものに限られます。

即日に渡す香典返しで故人らしさを演出するなら、ひいきのブランドのハンカチやお茶などがふさわしいでしょう。特定のお菓子屋さんの生菓子などは、急に大量の注文になってしまうため、避けたほうが無難です。

まとめ

オリジナルな葬儀にしたいとき、故人らしさを演出するチャンスは儀式中だけにとどまりません。受付、祭壇、料理、香典返しなどにまで広げて考えれば、必ず1つは思いつくでしょう。心温まる演出を、家族のみんなで考えれば、葬儀はかけがえのない想い出になります。

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奥山晶子(おくやま・しょうこ)
奥山晶子(おくやま・しょうこ)
山形県生まれ。冠婚葬祭互助会で2年間働いた後、出版業に従事。出版社の社員時代に日本初の喪主向け葬儀実用誌『フリースタイルなお別れざっし 葬』を発行(不定期)。以後、葬儀や墓について紹介するライターへ。 著書に「葬式プランナーまどかのお弔いファイル」(文藝春秋)「終活」バイブル 親子で考える葬儀と墓 (中公新書ラクレ)などがある。2013年より2年間、「NPO法人葬送の自由をすすめる会」の理事を務める。現在は葬儀や墓についての知識を足掛かりに、介護、相続、遺品整理など終活関連すべてについて勉強・取材・執筆中。

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