本葬の流れ~四九日をめどにゆっくり準備できる葬儀の形

   

ここでは、密葬を終えた後の本葬の流れについてご案内します。最近では、本葬というよりも、「お別れ会」や「偲ぶ会」という名称のほうを使うことが多くなってきました。葬儀をせずにお別れ会や偲ぶ会を行なおうとする人にも、このダンドリが役に立ちます。

本葬とは

 

密葬を行った後、四九日や百ヵ日、一周忌などをめどに行う葬儀を本葬といいます。基本的に身内中心である密葬とは違い、本葬には多くの関係者が参列します。本葬と同時に、誰でも花を手向けられるようなお別れ会や偲ぶ会を開催することも多く、近年では仏教的儀式を全て身内で済ませ、本葬の際にはお別れ会のみとするケースがかなり増えています。

身内だけの密葬と、一般会葬者を集めた本葬という二段構えのお葬式は、お知らせリストを作るだけでも数日を要するような有名人がとることが多いものです。ただ、身内だけで葬儀または火葬だけを済ませ、後日お別れ会を開くといったスタイルは、一般人もぜひ真似をしたい形式です。

その理由は、火葬だけの直葬や、身内だけの家族葬を選んだときのデメリットにあります。お別れが済んだ後も「お葬式に出られないなら、お線香だけでも」と家へ訪れたり、香典を送ったりする人が後を絶たず、対応に追われる遺族が多いのです。それなら、「○月○日にお別れ会を行います」などと案内してしまった方が、いっそスッキリします。

それでは、本葬のタイミングとしては最も一般的な四九日を開催日として、当日までの流れをご紹介しましょう。

密葬時 本葬日時の決定と知らせ

できれば密葬のときには本葬をする日時を決定しておきたいものです。参列者の数を把握しきれていないなら、場所については後日でも構いません。せっかく集まってくれている身内にだけでも、本葬日程をアナウンスしておきます。

四九日をめどにするなら、集まりやすいのは周辺の土日午後でしょう。住職を呼び、お経をあげてもらうなら、住職の都合を優先して組み立てましょう。土日は法事が多いため、スケジュールが埋まってしまうお坊さんも多いのです。

没後2週間目 参列者の人数把握、式場決定、見積もり

何かとバタバタする期間ではありますが、近しい身内や関係者らにも協力を募り、本葬の参列者をリストアップしていきます。そのままお知らせリストにできれば完璧ですが、ここでは式場を決定するために人数を把握したいだけなので、ざっくりとで構いません。

人数が固まったら、収容人数とアクセスを考慮して式場のピックアップを行います。もしも住職を呼んで法事も行うようであれば、葬祭具が揃っている葬儀ホールが最適でしょう。しかし、告別だけのお別れ会を行うなら、式場の選択肢はかなり増えます。持ち込むのは生身の身体ではなく遺骨なので、ホテルなどでのお別れ会も可能です。

式場のめどがつけば、相談をしに行き、見積もりをもらいます。余裕があれば数社から見積もりをとることをおすすめします。金額はもちろんのこと、対応や式場の雰囲気など、全てに納得のいくところに決めましょう。

3週間目 知らせ

本葬の一ヶ月前までにはお知らせ状を出したいものです。参列者を細かくリストアップし、お知らせ状を発送します。日時と場所、アクセス方法を書き込むほか、必要であればドレスコードについても添えましょう。法要を行わない場合、なるべくカジュアルな形でと平服を指定するケースが増えています。

香典を辞退したい場合は、その旨もお知らせ状に記しておきます。なお、お別れ会が終わった後に改めて身内で食事会を開きたい場合は、対象者に会食の招待券を同封しましょう。

4週間目~6週間目 打ち合わせ

本葬までの間、2、3回は担当者と細部の打ち合わせをします。会場の演出や料理の内容などで、故人らしさを出せるよう工夫しましょう。故人にゆかりのある人に弔辞や楽器演奏を依頼するなど、式の次第についても固めていきます。

香典を受け付ける場合には、香典返しを用意します。受け付けない場合にも、何らかの形で参列者にお土産品を渡す人が多いです。お礼状とともに、菓子一品などささやかなお土産品を用意しましょう。

なお、本葬が近くなったら関係者間で役割分担をしておきます。大事なのは受付まわりです。参列者の顔に明るい人を総監督に決めておくと、弔辞者席の案内などをする際に失礼がありません。

本葬当日

いよいよ本葬当日です。午後からの開式でも、遺族は遺骨や位牌、遺影とともにお昼ごろまでに会場入りし、祭壇まわりや受付まわりのチェックを行いましょう。開式30分前までには、親族らが自分の席と式次第、焼香の流れについて把握できているようにしたいものです。

法要【30分】

本葬としてしっかりお経をあげてもらいたい場合や、四九日の法要を兼ねているときには、お別れ会の前に法要を行います。お別れ会に組み込んで参列者全員に参加してもらうこともあれば、お別れ会を行う前に身内だけで法要を済ませることもあり、希望によってさまざまです。

お別れ会・偲ぶ会【1時間】

司会者が開式の挨拶を行い、お別れ会が始まります。一般的なお別れ会の流れとしては、まずは黙祷があり、その後に故人の軌跡を紹介するビデオなどが放映され、続けて弔辞や献奏が行われます。その後に焼香、もしくは献花などがあり、献花が終わりしだい喪主が挨拶を行い、閉式となります。

会場に入りきらないほどの参列者がいる場合があります。芸能人のファンなどです。このときは式場外に献花台を設けたり、献花の時間だけ式場を開放し、祭壇に献花をしてもらったりします。

会食【2時間程度】

会場を移動して、招待券のある人たちだけで会食となります。また、あらかじめブッフェ形式のパーティースタイルとなっている場合もあり、遺族の希望とプランによりけりです。参列者が多い場合は招待制にしたほうがよいでしょう。会食の締めには、喪主が挨拶を行います。

以上のように、ゆっくりと準備ができ、宗教にこだわらない演出もできるのが本葬やお別れ会、偲ぶ会の特徴です。故人らしさを念頭に置き、親族間で話し合いを重ねて満足のいく本葬を叶えましょう。遺族に余力がないようなら、故人と仲の良かった友人に幹事をお願いすることも可能です。

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奥山晶子(おくやま・しょうこ)
奥山晶子(おくやま・しょうこ)
山形県生まれ。冠婚葬祭互助会で2年間働いた後、出版業に従事。出版社の社員時代に日本初の喪主向け葬儀実用誌『フリースタイルなお別れざっし 葬』を発行(不定期)。以後、葬儀や墓について紹介するライターへ。 著書に「葬式プランナーまどかのお弔いファイル」(文藝春秋)「終活」バイブル 親子で考える葬儀と墓 (中公新書ラクレ)などがある。2013年より2年間、「NPO法人葬送の自由をすすめる会」の理事を務める。現在は葬儀や墓についての知識を足掛かりに、介護、相続、遺品整理など終活関連すべてについて勉強・取材・執筆中。

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