家族葬の流れ~親しい人だけなら通夜なしもOK!人にも財布にも優しい送り方

      2016/08/01

親しい人だけでお別れをする家族葬は、参列者にそれなりの気遣いが必要である一般的な葬儀よりも、省略できるところがたくさんあります。今回は、仏式を想定し、臨終から家族葬を行うまでの流れを紹介します。

家族葬とは

A coffin in a morgue with a flower arrangement

 

「家族葬、直葬(ちょくそう)、密葬……葬儀の規模をあらわす4つのキーワード」でも解説していますが、家族葬とは基本的に親族だけで葬儀を執り行う、新しい葬儀の形です。特に故人と親しかった人であれば参列してもらうこともありますが、遺族が参列者を特定するため、また親族だけという気安さから、遺族が葬儀の主導権を握れることがメリットです。

家族葬は、2000年代前半からじわじわと人気が出てきました。背景には昨今の虚礼を廃する風潮と、高齢化により一般参列者が減少してきたことがあります。親族だけの葬儀なら、そもそも一般会葬者の参列が多い通夜を省略する、香典のやり取りを行わないなど、さまざまな工夫が可能です。

1日目~2日目 臨終から安置、打ち合わせまで

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臨終、末期の水

病院や自宅で臨終を迎えると、末期の水を飲ませる儀式が始まります。割り箸に脱脂綿を挟み、水を含ませて故人の口元を濡らすのです。省かれる場合もありますが、遺族の気持ちを落ち着かせるためにも有効です。

搬送、安置【1時間~2時間】

すみやかに葬儀社などに連絡し、病院の霊安室を出なければなりません。葬儀社の安置室や自宅など、希望の場所へ搬送してもらい、安置します。菩提寺のある人は、この時点で住職に亡くなったことを伝えましょう。枕経に来てくれるお寺もあります。

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打ち合わせ、見積もり【1時間~2時間】

葬儀社が決まれば、日程などプランの打ち合わせを始めます。このとき、喪主はなるべく親族へ連絡する側に回らず、葬儀社との打ち合わせに集中しましょう。親族との電話はどうしても長くなってしまう傾向があります。連絡は家族に任せ、臨終と安置場所を伝えるほか、日程は追って連絡すると言うにとどめてもらいます。

喪主は葬儀社に、家族葬にしたい旨を伝え、宗派や会場の希望を含めてプランを相談します。一般葬なら行う通夜も、親族中心の葬儀であれば必要ないかもしれません。なお、香典を辞退するのであれば、香典返しの必要もないですね。そばにいる親族と相談しながら、細部を詰めていきます。

プランが決まったら見積もりを立ててもらい、納得すれば正式に依頼します。火葬や葬儀の日時については、菩提寺に希望を伝え、都合が悪ければ調整する必要があるでしょう。

2日目~6日目 知らせ、納棺、通夜

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知らせ

到着していない親族には日程を知らせます。いつの時点から来てくれるかを把握しておけば、宿泊場所をおさえることができるでしょう。最近では安置施設も整い、遺体保全技術が進んだことから、土日に合わせて葬儀をするなどの操作が可能になってきました。

ただし親族のみの葬儀の場合は、あまりにゆっくりした日程を組むと、すでに到着している人がいったん帰らなければならないというデメリットも目立ちます。どちらが良いかは、親族でよく話し合って決めたいものです。

納棺【30分~1時間】

納棺に親族が集まる地域の場合は、通夜の直前、葬儀の前日に行うとスムーズです。遠方の親族にとっては、儀式の日が集中したほうが便利だからです。通夜をしないというときには、葬儀の直前に納棺をするという手もあります。保冷設備に安置してもらう場合は、引き取りの際に棺に収まっていなければならないといったケースもあり、タイミングはじつにさまざまです。

納棺の作法は、以前は白装束を着せることが一般的でしたが、最近では故人が希望していた服などを着せるようになってきました。袖を通すのが難しい場合は、羽織るだけになったり、プロに頼んだりすることになります。

着替えが終わったら、故人には棺に休んでもらい、ゆかりの品々を持たせます。火葬できるのは燃えるものに限るため、注意が必要です。

納棺の前に「湯灌(ゆかん)」を行うときがあります。故人をお風呂に入れる儀式で、オプションとなります。仕上げのメイクで見違えるほど肌ツヤがアップしますので、長く入院していたなどお風呂に入れなかった事情がある人には、良い選択でしょう。

通夜【30分~1時間】

親族のみでも、きちんとした通夜を行う場合は、納棺のあと棺と一緒に通夜会場へ移動し、僧侶を迎えて通夜となります。通夜を設けない場合でも、僧侶の読経がある場合は、棺を取り囲んで通夜経を聞くことになるでしょう。

通夜をせず、僧侶の読経もない場合は、納棺のあと、親族を交えて静かに過ごすだけとなります。

通夜ぶるまい【2時間~3時間】

夕飯は、通夜ぶるまいとまではいかなくとも、遺族の控室に簡単な大皿料理を取り寄せるなどすれば、遠方からの親族にも親切です。あるいはみんなでひいきのレストランに出かけるなど、できるだけくつろいだ夕飯にし、明日に備えましょう。

3日目~7日目 葬儀、火葬

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葬儀が先の場合

葬儀【30分~40分】

葬儀が先の地域と、火葬が先の地域があります。葬儀が先なら、30分ほど前までに葬儀会場へ集合します。このとき、香典を受け付ける形であれば、受付係は早めに式場に到着するようにしましょう。親族のみの葬儀なので、受付が遺族の誰かでも構いません。ただし、喪主以外とします。

宗教者が来れば時間通りに開式します。弔辞や焼香の人数が少ない分、一般葬よりも儀式にかかる時間は短めです。本当に遺族だけの、10名程度の式であれば、喪主あいさつをするのは違和感があるかもしれません。葬儀社や親族とよく打ち合わせをして、必要かどうかを決めましょう。

出棺【30分】

一般の参列者がいないため、葬儀後の見送りはせず、そのまま出棺となります。火葬時間の都合で出棺まで時間がある場合には、控室で待ちながら、時間帯によっては軽食をとりましょう。いよいよ出棺となったら、棺のふたを開けて最後のお別れを済ませます。

お別れでは、納棺時に入れられなかった手紙や写真、思い出の品を棺に入れたあと、お花で顔の周り全体を囲んであげることになるでしょう。故人の好きだった花をオーダーできれば、より心に残るお別れとなります。

火葬・精進落とし【1時間半~2時間】

火葬場に到着したら、棺の前で焼香などを済ませ、火入れとなります。会食設備のある火葬場であれば、精進落としを済ませたほうがスムーズです。設備がない場合は、式場に戻るなどしてから会食となります。

1時間ほどで火が収まり、収骨室に呼ばれます。収骨は、遺族一人ひとりが遺骨を橋渡しし、骨壺に納める儀式です。10分ほどですべて拾い上げます。

換骨勤行(初七日法要)【20分】

火葬後、葬儀式場まで戻って換骨勤行を行います。葬儀の際にすでに済ませているような場合は、火葬場で精進落としのあと散会としてもかまいません。換骨勤行のあとに精進落としとなる場合、住職さえよければ故人が気に入っていたカジュアルなレストランなどで精進落としをしてもいいでしょう。予約は必須ですが、人数が少ないからこそ可能になることです。

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火葬が先の場合

出棺

火葬が先の場合、火葬時間から逆算して、まずは出棺がなされます。親族は定刻までに安置場所へ集まり、棺のふたを開けて最後の別れをします。時間の都合があるような親族は、直接火葬場へ向かって待機していてもいいでしょう。ただ、火葬場では棺のふたを開けることはできない場合が多いため、注意が必要です。

火葬【1時間半】

火葬場に到着し、火入れを行なったら控室に移動します。このとき、お茶やお菓子を少しつまむことになるでしょう。収骨に呼ばれたら収骨室に移動し、遺骨を拾い上げたらバスなどで葬儀会場へ移動します。

葬儀【30分~40分】

葬儀会場では遺骨を祭壇上などに安置し、僧侶を迎えて、定刻通りに開式します。喪主の挨拶は、家族だけの場合など、必要ないケースもあるでしょう。

葬儀の後、続けて初七日法要などが、遺族の希望によりなされます。

精進落とし【2時間程度】

初七日法要まで終わったら、精進落としとなります。少人数であれば、故人の気に入っていたお店で済ませてもよいでしょう。あらかじめ予約し、遺骨を持ち込んでもよいか確認しておきましょう。

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奥山晶子(おくやま・しょうこ)
奥山晶子(おくやま・しょうこ)
山形県生まれ。冠婚葬祭互助会で2年間働いた後、出版業に従事。出版社の社員時代に日本初の喪主向け葬儀実用誌『フリースタイルなお別れざっし 葬』を発行(不定期)。以後、葬儀や墓について紹介するライターへ。 著書に「葬式プランナーまどかのお弔いファイル」(文藝春秋)「終活」バイブル 親子で考える葬儀と墓 (中公新書ラクレ)などがある。2013年より2年間、「NPO法人葬送の自由をすすめる会」の理事を務める。現在は葬儀や墓についての知識を足掛かりに、介護、相続、遺品整理など終活関連すべてについて勉強・取材・執筆中。

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