直葬(ちょくそう)の流れ~簡素に親しい人だけで火葬を見送る

      2016/06/23

火葬だけを行い、葬儀をしない直葬は、本当に身近な人だけで最後のひとときを過ごせる送り方です。臨終から直葬までの流れを詳しく紹介します。

直葬とは

葬儀

「家族葬、直葬(ちょくそう)、密葬……葬儀の規模をあらわす4つのキーワード」でも解説していますが、直葬とは葬儀をせずに火葬のみを執り行う、日本で一番シンプルな送り方です。数年前に生まれた新たな送り方ながら、今や都市部の2割から3割が直葬であるとすらいわれています。

臨終から直葬までの流れは、ただ通常のダンドリから葬儀を抜いただけというものでもありません。余計なものをそぎ落としたシンプルな形ではありますが、むしろオプションをつけていって、通常の葬儀に限りなく近づけることも可能です。

1日目~2日目 臨終から安置、打ち合わせまで

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臨終、末期の水

病院や自宅で亡くなった直後、看護師さんや医師から「末期の水を口に含ませてあげてください」と促されます。湿らせた脱脂綿を挟んだ割り箸や、筆などを使って水で故人の口を湿らせてあげましょう。

搬送、安置【1時間~2時間】

直葬は火葬しかしないからといって、病院から直接火葬場へ行けるかというと、そうでもありません。葬儀場を兼ねているような都市部の火葬場であれば、安置室を持っていることもありますが、多くの公営は長時間の安置ができないためです。

日本の法律では、死亡から24時間を経過しなければ火葬してはならないと定められています。よって、最低でも1日はどこかに安置をしなければなりません。火葬するには棺も必要なので、葬儀社に相談することになります。自宅あるいは葬儀社の安置室などに搬送してもらいましょう。葬儀社ではない施設で安置を行っている場所もありますが、都市部に限られ、まだ数は微々たるものです。

打ち合わせ、見積もり【1時間~2時間】

火葬までのダンドリを葬儀社と打ち合わせます。直葬であることを伝え、宗教者を呼ぶか否か、火葬の日程はいつかを決め、見積もりを出してもらいます。直葬にかかるお金は、棺代、骨壺代、ドライアイス代、搬送費程度です。遺影が必要であればオプションで申し込みます。

もしも火葬炉の前でお経を唱えてもらいたいという希望があれば、葬儀社からお寺を紹介してもらうことも可能です。菩提寺がある場合は直葬であることと日程を伝え、住職の都合が悪ければ調整しましょう。通夜も葬儀もしないのなら、僧侶に来てもらうのは火葬の前だけということになります。

火葬場の規定で、炉の前でお経を長く読めないこともあります。そのときは、出棺の少し前に安置場所へ住職を案内し、お経をあげてもらうよう手配しましょう。

火葬だけということは、精進落としや香典返しのやり取りの想定がされていないということにもなります。「火葬の後、家族のみんなとお疲れ会をやりたい」「香典をもらったときのために、いささかの香典返しを用意しておきたい」「香典は受け取らないけれど、みんなにお土産の品を渡したい」といったときには、希望を葬儀社に伝えましょう。

1日目~2日目 納棺、通夜

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知らせ

まだ到着していない親族に、安置場所と火葬の時間を伝えます。火葬に友人なども呼ぶべきか、その線引きは人それぞれですが、火葬場に収容できる人数が限られていることもありますから、あまり大所帯になってはいけません。基本的には親族にとどめましょう。

納棺【30分~1時間】

火葬の前日を通夜と定め、納棺を行います。一度家に帰ってきたとしても、布団で一晩過ごす間もなく納棺となる可能性が高いでしょう。白装束を着せるか、故人が遺言していた着物などを着せるかはさまざまです。身支度を整え、お化粧直しなどをした後は、持たせたいものがあれば入れてあげましょう。

納棺のあと、すぐにみんなで夕飯を食べられるようにするとスムーズです。時間を逆算して、午後4時か5時あたりから納棺を行うのがいいでしょう。

通夜【1時間~2時間】

親族のみなので、形式ばった通夜は必要ありません。故人を囲んでゆったり夕飯を食べるか、故人が安置所にいる場合は、みんなで外に出かけて夕飯をとるのがいいでしょう。カジュアルで構いません。

2日目~3日目 火葬

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出棺【20分】

火葬時間から逆算して都合の良い時間に集まり、出棺の儀を行います。棺を開けられるのはこれで最後のため、棺の中をお花で満たしてあげたり、最後の手紙を読み上げ、入れてあげたりと、心のこもったお別れとしましょう。直葬においては、出棺のときが葬儀に代わるといえるでしょう。

火葬【1時間半】

出棺したら火葬場へ向かいます。炉の前で僧侶がお経をあげる場合、やや早めに出発をしなければなりません。火入れをしたら控室に移動し、お茶菓子で待ちます。軽い精進落としのようなものを行ってもいいでしょう。

収骨まで終えたら解散です。この後、レストランなどで夕食をとれば、こぢんまりとした精進落としができます。

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奥山晶子(おくやま・しょうこ)
奥山晶子(おくやま・しょうこ)
山形県生まれ。冠婚葬祭互助会で2年間働いた後、出版業に従事。出版社の社員時代に日本初の喪主向け葬儀実用誌『フリースタイルなお別れざっし 葬』を発行(不定期)。以後、葬儀や墓について紹介するライターへ。 著書に「葬式プランナーまどかのお弔いファイル」(文藝春秋)「終活」バイブル 親子で考える葬儀と墓 (中公新書ラクレ)などがある。2013年より2年間、「NPO法人葬送の自由をすすめる会」の理事を務める。現在は葬儀や墓についての知識を足掛かりに、介護、相続、遺品整理など終活関連すべてについて勉強・取材・執筆中。

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