葬儀の席順はどう決める?家族のスタイルが多様化する現代にふさわしい席順とは

      2016/08/01

葬儀の直前まで、誰もがその重要性に気づかない。それが親族の席順です。基本的に血縁の近い順番という漠然とした考え方はありますが、家族の事情によって、席順は違ってきます。基本的な考え方と応用例で、葬儀の席順を解説します。通夜もこの席順に準じます。

喪主の席は先頭の内側

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喪主の席だけは、明確に決まっています。最前列の中の、最も内側の席(最も参列者側の席)です。棺に一番近いところだから、という考え方もありますが、もっと合理的な理由からきています。

焼香とあいさつがしやすい場所に喪主席がある

喪主には2回の出番があります。喪主焼香と、喪主あいさつです。喪主焼香を特別に設けず、みんなと一緒に焼香をする場合もありますが、それならなおさら最前列の内側にいなければなりません。

焼香は、列の最も内側にいる人から案内され、外側の人は最後に焼香をすることになります。焼香のために席を立つときは内側から出て行き、外側から席に戻ってくるのです。スムーズな動線を保つように、係員は焼香誘導します。

また、喪主あいさつのときには、親族を代表し、参列者に向かってあいさつをすることになります。当然、参列者に姿がよく見えるよう、式場中央あたりで挨拶をすることが求められます。一番内側の席に座っていてもらえれば、大きく移動せずにすむのです。

会場の都合により喪主席が決められることもある

喪主の席は、このように合理的な理由によって決められていますから、当然、会場によって合理性が認められない場合は、違う席となることもあります。一般参列者が全くいない家族葬の場合は、席が左右に分かれず、中央に喪主が来ることもあります。

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また、マイク台が固定されている場合は、マイク近くの席に案内されることもあります。

遺族は最前列、あとの順番は考え方によって違う

喪主の隣には、遺族が並びます。故人が居宅を共にしていた家族のことです。次には、血縁者が順番に並んでいきます。故人の子どもたちとその家族、故人の兄弟らと続きます。

ここで「ちょっと待てよ」と思う人もいることでしょう。「兄弟のほうが、子どもの家族よりも縁が深いのでは?」と。そういう考え方もあり、実際にそういった席順になることも多いものです。ただ、杓子定規に「故人と縁が深い順番」と考えるだけでは、無理も生じてしまいます。

例えば、本当に「血縁が濃い」順とすれば、血のつながらない配偶者は除外するので、それぞれの家族は離れ離れになってしまうでしょう。小さなお子さんがお母さんと離れて不安になってしまったり、後ろの席に押し込められた姻族が息苦しさを覚えたりして、違和感のある式になりかねません。

家族中心の考え方は年の若い親族が多いときに有効

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葬儀の席順は血縁者からというしきたりを守っている地域もありますが、そうでなければ席順は家族のまとまりを中心に考えるのが合理的ですし、違和感がありません。例えば、故人の子どもが3人だった場合は、長子とその家族、中間子とその家族、末っ子とその家族、と続きます。次に故人の兄弟姉妹と、その家族が並びます。

一般的に血縁が濃いといわれるのはこのあたりまでなので、あとの席順は自由としてよいでしょう。この考え方は、故人の孫がまだまだ手のかかる年代であるときに、特に有効です。

また、家族単位で座らせたときには、席数の都合で家族が離れ離れになってしまうこともあるでしょう。そんなときには臨機応変に、外側の席を一つ空けてしまうなどして、うまく家族単位で座れるように工夫しましょう。

血縁中心の考え方は天寿全う型に最適

孫たちもみんな成人していて、新たに家族を作っている場合、誰がどこまで家族といえるのかが分からなくなってきますね。ご長寿が増えて、こうした問題が出てきました。孫の家族までを「故人の子どもの家族」に含めたら、故人の兄弟姉妹ははるか奥の席へ追いやられてしまうことになりかねません。

成人している孫が多いのであれば、家族単位ではなく夫婦単位にしてしまうのも一つの手です。喪主以下、故人の子どもたちの夫婦が並んだあとは、故人の兄弟姉妹の夫婦が並びます。そしてその後ろに、孫夫婦と手のかかるひ孫たちを並ばせます。あとの席順は自由とします。

まとめ

厳密に「血縁者から」「縁の濃い人から」と考えると、違和感のある席順になってしまいます。手のかかる子どもや介助の必要なシニアを家族と離れ離れにさせないよう、葬儀の席順は家族単位や夫婦単位で考えるのがポイントです。

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奥山晶子(おくやま・しょうこ)
奥山晶子(おくやま・しょうこ)
山形県生まれ。冠婚葬祭互助会で2年間働いた後、出版業に従事。出版社の社員時代に日本初の喪主向け葬儀実用誌『フリースタイルなお別れざっし 葬』を発行(不定期)。以後、葬儀や墓について紹介するライターへ。 著書に「葬式プランナーまどかのお弔いファイル」(文藝春秋)「終活」バイブル 親子で考える葬儀と墓 (中公新書ラクレ)などがある。2013年より2年間、「NPO法人葬送の自由をすすめる会」の理事を務める。現在は葬儀や墓についての知識を足掛かりに、介護、相続、遺品整理など終活関連すべてについて勉強・取材・執筆中。

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