家族葬、直葬(ちょくそう)、密葬……葬儀の規模をあらわす4つのキーワード

      2016/05/24

葬儀の予算に最も影響してくるのが、葬儀に参列する人数です。葬儀の規模を決めるとき、「少人数の葬儀にして予算をかけたくない」と希望する人が増えてきました。「家族葬」という、親しい人たちで見送る葬儀の形に惹かれる人もいるでしょう。ここでは、葬儀の規模を決める4つのキーワードについて解説します。

一般葬は親族・友人・近所・仕事関係が参列する、昔ながらの葬儀

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一般葬は昭和の時代からスタンダードとして確立された、親族と友人、そして故人やその子の会社関係、近所の人々らが参列する葬儀です。たいていの場合、人数は80名から150名ほどになり、地域や仕事、交友関係によっては200名を上回る可能性もあります。

それなりに大規模な会場を借りる必要が生じ、料理や返礼品もたくさん必要です。予算は150万円から250万円程度をみていた方がよいでしょう。

一般葬のメリットとデメリット

一般葬のメリットは、香典がたくさんいただけること、お知らせとご挨拶の場が一度で済むことがあげられます。デメリットは、参列者数を予想するのがなかなか難しいこと、挨拶するべき人が多すぎて家族が気疲れしてしまうことなどがあげられます。

ただ、最近では高齢化により、故人や喪主の会社関係の参列が少なくなる傾向にあります。友人や近所関係の参列も減少し、一般葬にしたとしても50人を割ることは珍しくありません。一般葬を選んだからといって大規模とは限らない時代が、すぐそこに来ているといえるでしょう。

家族葬は基本的に親族のみで行われる、最近流行している葬儀

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終活に興味を向けている人なら、「家族葬」という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。家族葬は、親族や特に大事な縁者らが集まる葬儀の形です。虚礼を廃し、故人の見送りに集中することに視点が置かれています。人数は30名から、多くても80名程度です。

家族葬という言葉が流行してから、小規模葬儀向けの会場が新設ラッシュとなりました。こうした会場を比較的安価に借りられれば、予算は多くても150万円を超えずに済むでしょう。

家族葬のメリットとデメリット

家族葬のメリットは、余計な気遣いをせずに済むこと、参列人数を特定できることがあげられます。デメリットは、参列者が少ないぶん香典が減るため、持ち出しが多くなることです。一般葬よりも高くつく可能性があります。

「家族葬」という言葉は参列者が少ないという印象があるかもしれません。しかし、最初は家族葬を希望していても、「やはりあの人を呼ぶべきだ」などと家族間で協議するうちに、きわめて一般葬に近い形になるケースがあります。

したがって、家族葬が一般葬よりも規模が小さいなどとは、一概には言えません。ただ、いったん一般葬を選んでしまうと参列者を選ぶことはできませんが、家族葬を選べば、家族をベースにして他は誰を呼ぶべきか、家族会議のうえ決められます

直葬(ちょくそう)は火葬に立ち会うだけで葬儀をしない、全く新しい見送り方

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「直葬(ちょくそう)」という言葉も、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。葬儀をせず、火葬場で簡単なお別れをして見送ることです。病院から火葬場の保冷庫へ直行する場合(都市部以外ではレアケース)と、自宅に帰るか葬儀社の安置室に預け、火葬まで待機する場合とがあります。

直葬の場合、葬儀はしないため参列人数という考えはありません。火葬場に集まる人の数が、ある意味では参列人数といえるでしょう。親族全てが駆けつけられるような大きいところなら安心ですが、なかには5人から10人程度しか立ち会えない火葬場もありますから、注意が必要です。

直葬を選んだ場合、予算は20万円から30万円程度をみていればいいでしょう。搬送車料金のほか、棺や骨壺、火葬場の使用料金、安置室や休憩室の使用料金が主な内訳です。

直葬のメリットとデメリット

直葬のメリットは、なんといっても安いことです。デメリットは、親族以外へのお知らせの仕方が難しいことがあげられます。故人とたいへん親しい間柄の人は、お葬式に呼んでもらえなかったことを寂しく思うでしょう。直葬を選んだところ、四九日までお線香を上げに来る人が絶えなかったというケースもよく聞きます

あっさり見送りたいと直葬を選んだ結果、絶え間ない弔問客の相手をしなければならなくなったら本末転倒です。もし直葬を選びたい場合は、交友関係や仕事関係などをきちんと見極めましょう。一般葬のほうが、挨拶が一度で済むため楽な場合もあるでしょう。

密葬は本葬とセットの概念

「家族葬と密葬はどう違うの?」と疑問を持つ人もいるでしょう。芸能人や大物政治家などが亡くなったとき、「葬儀はすでに密葬で親族によって行われました」といった報道がなされるときがありますね。

密葬は、家族葬という言葉が使われるずっと前からあった言葉です。密葬がなされる場合、必ず後で本葬がなされます

有名人が葬儀を行う場合、参列者の数は膨大なものになります。各界にお知らせし、会場や式次第を整えるために何日も必要です。それを待っていては、遺体に影響が出てしまうでしょう。そこで、先に親族だけで小規模な葬儀と火葬を行うのです。これを密葬といい、後で行われる大規模な葬儀を、本葬と呼びます。

ただ、密葬と本葬を行うこの形式は、これから一般層の間でも行われるようになるのではないかとも言われています。まずは直葬を行い、一年後などにお別れの会として食事会を開くような形式です。これなら、亡くなった直後は過度に精神的な負担がかからずに済むうえ、弔問客が遺族宅に押し寄せるようなこともありませんね

まとめ

以上、さまざまな葬儀の規模とその予算などについてお伝えしました。葬儀の規模を決めるのは「一般葬」「家族葬」といった名称ではなく、どの範囲までを参列者として呼ぶかです。葬儀の規模を自ら決め、喪主が主導権を握れるようにしましょう!

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奥山晶子(おくやま・しょうこ)
奥山晶子(おくやま・しょうこ)
山形県生まれ。冠婚葬祭互助会で2年間働いた後、出版業に従事。出版社の社員時代に日本初の喪主向け葬儀実用誌『フリースタイルなお別れざっし 葬』を発行(不定期)。以後、葬儀や墓について紹介するライターへ。 著書に「葬式プランナーまどかのお弔いファイル」(文藝春秋)「終活」バイブル 親子で考える葬儀と墓 (中公新書ラクレ)などがある。2013年より2年間、「NPO法人葬送の自由をすすめる会」の理事を務める。現在は葬儀や墓についての知識を足掛かりに、介護、相続、遺品整理など終活関連すべてについて勉強・取材・執筆中。

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